「取り敢えず、しぃぴぃには追いつけたかな?」

「え?何?」

加村さんの胸の中で、クスッと笑ったあたしに、彼は聞き返してきた。


「なーんにもっ!」



この夏の日。

部屋の窓越しに見える空には、綺麗な飛行機雲が浮かんでいた……。






-fin-