だから、あたしは加村さんの目をジッと見つめて、自分の心の内を打ち明けようとした。

「応援させてください!だって、あたし、加村さんのこと……!」

(加村さんのこと……。)

「…………っ!」

あれ?
緊張し過ぎて、声が出ない……?

ヤバい、頭の中が真っ白になりそう。

「……ありがとう。」

加村さんは、いつもの笑顔をあたしに向けて、そう言った。

「これで、告白する勇気が出たよ。」

「えっ……?」

ホントに一瞬、頭が真っ白になった。

「もう、カウンセリングは必要無いかなって。臨床心理士の……。新橋先生に。別れの挨拶と。」

(『最後に告白』って、ことか。)

―敵わない。そして、叶わない。―

―あたしの、想いは。―


でも!

あたしは、泣きそうになる瞳に、ぎゅっと瞼を重ねて、決心した。

その日。

加村さんが新橋先生に、告白すると言った「その日」に、あたしも加村さんに告白しよう、と……。