しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~

ニヤケ顏の男のからかうような口調に、あたしは、かあっとなる。

「なっ……!?別に彼女じゃ……。てか、酷いじゃないですか!『命が危険だ』とまで言っといて……!」

男に掴みかからんばかりの勢いで、怒りを表すあたしに、

「俺は、『加村がヤバい』って、言っただけだよ?ミヅキちゃんが、勘違いしただけでしょ?」

と、男は飄々と言った。

「そ…そう…なん……だ…。」

ガクッと腰が抜けて、あたしは加村さんの横で座り込んでしまった。

「じゃーな!俺ら、飲みに戻るから。しっかり看ててくれよ。」

(え!?え?)

「ちょっと、置いてかないでくださいよっ!あたし、何したら良いか分かんないんですけど…?」

慌てて引き止めようとすると、支店長までも立ち去ろうとしていた。

「何か、あったらすぐ僕達を呼んで良いから。」

「え!?ちょっと待ってくださいっ!」

「ちょっと!?」と、何度も呼び止めたけど、「今、盛り上がってる途中だから。」と、2人に置いてかれてしまった。

「『急を争う』って、そういうこと…。」