オフクロサマ

確かに目の前で倒れるのを見ていたけれど、そんな言い方はないんじゃないだろうか。


「あの祭りで禁忌を犯したんだ。仕方のないことなんだよ」


その言葉に智香と裕貴は目を見交わせた。


死んだ男性は祭りをこっそり撮影したと言っていた。


だから死んでも仕方がないと言うんだろうか。


「そんな馬鹿げた話ってないと思います! 人がひとり死んでるんですよ!?」


裕貴が食って掛かると、大田は呆れたようなため息を吐き出した。


今まで親切にしてくれていた大田との距離が急に遠くなる。


「君たちはお風呂に入りに来たんだろう? 今準備するから、入ったら帰りなさい。自分たちの家にね」


大田はそう言うと、冷たい視線を残して席を立ったのだった。