♢
『はあっ……はあっ』
気づけば私はどこかを夢中で走っていた。
あれ、どうして走ってるんだっけ……?
きょろきょろと周りを見てみると、自分の前には体操服を着た女の子たちが走っていた。
それでやっと気づく。
……中学生のときの持久走だ。
私には苦手なことがたくさんある。
その中のひとつが走ることだった。
体育の時間、私はいつもひとりでみんなの背中を必死に追いかける。
だけど追いつくことは決してできなくて、苦しくて、辛かった。
『羽生ちゃん大丈夫ですか!?』
『……!』
気づけば景色が変わっていた。
これは学年末課題のケイドロ……?
息を吸ってもしんどいのは変わらないけれど、私の隣には支えてくれる初ちゃんがいる。
『岩清水くん! お願いします!』
初ちゃんはそう言って、私を岩清水くんのところまで連れて行ってくれる。
彼の手を握ろうとして手を伸ばす。
だけどいつの間にか岩清水くんの隣には、カフェで会ったかわいい元カノさんがいた。
もう走っていないのに、ううん、元から走ってなんていないのに、息がうまく吸えなくて苦しい。
まって。
そう言うこともできずに、抱きしめあうふたりを見ることしかできなかった。
『はあっ……はあっ』
気づけば私はどこかを夢中で走っていた。
あれ、どうして走ってるんだっけ……?
きょろきょろと周りを見てみると、自分の前には体操服を着た女の子たちが走っていた。
それでやっと気づく。
……中学生のときの持久走だ。
私には苦手なことがたくさんある。
その中のひとつが走ることだった。
体育の時間、私はいつもひとりでみんなの背中を必死に追いかける。
だけど追いつくことは決してできなくて、苦しくて、辛かった。
『羽生ちゃん大丈夫ですか!?』
『……!』
気づけば景色が変わっていた。
これは学年末課題のケイドロ……?
息を吸ってもしんどいのは変わらないけれど、私の隣には支えてくれる初ちゃんがいる。
『岩清水くん! お願いします!』
初ちゃんはそう言って、私を岩清水くんのところまで連れて行ってくれる。
彼の手を握ろうとして手を伸ばす。
だけどいつの間にか岩清水くんの隣には、カフェで会ったかわいい元カノさんがいた。
もう走っていないのに、ううん、元から走ってなんていないのに、息がうまく吸えなくて苦しい。
まって。
そう言うこともできずに、抱きしめあうふたりを見ることしかできなかった。



