するといつの間にか女の子たちのパートナーである男の子たちが戻ってきていたようで、話の輪に加わる。


「ね、羽生ちゃん絶対かわいいよね!」
「うん、そうだな。かわいいと思う」


にこっと微笑まれて、顔が赤くなるのが嫌でもわかった。
褒められ慣れていないから、『かわいい』なんて言われ慣れていないから。

パートナーのいる男の子の言葉で赤くなるなんてよくないと思って必死に言い訳を並べるけれど、当の本人たちは全く気にしていなくて。


「羽生ちゃん顔真っ赤だ〜! かわいい〜!」
「も、もうやめてえ……!」


恥ずかしくて手で顔を覆ってガードする。
だけど全然おさまらなくて、どうしようかと困り果てたとき。


「羽生」
「岩清水くん……!」


聞き慣れた安心する声がして顔を上げる。
私のパートナー、少し前から本当の恋人になった人。

気づかないうちに戻ってきていたようで、私の隣で眉をひそめる。


「何してんの」

「え、えっと……」

「何色のドレス着てみたいか話してたの! 岩清水も気になるんじゃなーい?」


女の子がニヤニヤしながら岩清水くんを肘でつつく。
だけど岩清水くんの表情はなにも変わらない。