「初ちゃんのドレス姿かわいかったね〜!」
「やっぱり結婚式って憧れるなあ」


学年末の決勝課題、結婚式作りの真っ最中である私たちは、会場を飾りつける小物片手に恋バナをしていた。


「ねえねえ、みんなは何色のドレス着てみたい!?」

「え〜、やっぱ王道の白かな」

「わたし赤色とかも着てみたい!」


自分から積極的に話さずとも、みんなの話を聞いているだけで微笑ましくて楽しい。
いろいろな意見があるなと頷いていると、ふとみんなの視線が自分に集まる。


「羽生ちゃんは!?」
「えっ、わ、私は……」


みんなの言う通り、やっぱり憧れの白色……?
赤色もかっこいいし気になるけれど、自分に似合うかどうか考えるとわからなくなる。

結局迷ってしまってなにも言い出せずにいると、話を振ってくれた女の子の表情が、ぱっと明るくなった。


「羽生ちゃんだったらやっぱり白色が似合うかな?」

「わかる〜、ふわふわしてるし優しい色がいいんじゃない?」

「水色とかピンクとか? 絶対かわいい〜!」


ちゃんと答えられなかったけれど、みんなはそんなこと気にせず、わいわいと盛り上がっていて安心する。

だけどそれと同時に、みんなの言葉が嬉しいけど恥ずかしくて、結局またあわあわしてしまう。