りんご色ジェラシー

「ごめんね、できるだけ努力するね……!」


こぶしをぎゅっと握って、がんばる! とアピールする。
岩清水くんは少し口元を緩めたかと思うと、私にまたキスをした。


「がんばって」


そう言う顔がいつもより優しいのに少し意地悪で、胸がきゅんとなる。


「き、気分よくなったしちょっと寝てこようかな……!」

「こんな時間から寝たら起きられなくね?」

「でも寝とかないと授業中眠くなったら困るし……」

「じゃあもうここで寝れば?」


離れたくないといわんばかりにぎゅっと手を握られて、「う……」と言葉に詰まる。


「一緒に寝よ」


甘い声でそう誘われてしまえば、上手く断ることなんてできなかった。







結局ダイニングでふたりとも寝落ちしてしまい、そろいもそろってその日の授業中に寝てしまうのだった。


fin.