朝食を食べ始めたイチは、本当に嬉しそうに食事を口に運ぶ。

「イチも食べるんなら、アルバイトをしてもらわなくちゃね!」

 突然の私の言葉に、イチは不安げな表情。

「僕はミコと一緒にいたいよ〜!!」

 すぐにそう返事するイチに、私はふと思い付き提案する。

「じゃあさ、飲食店で仕込み担当のパートさんなんかどう?野菜切りはできるじゃない?そこで色々覚えて味付けも覚えたら調理師試験を受ける。そうしたら、いつかシェフになれるよ!!」

「しぇふ?」

「美味しいものは二人で作って食べられる、お金はもらえて私と一緒にこれからも無事に暮らせる。どう?」

 そう話を振られたイチは満面の笑み。

「ミコが喜んでくれるなら、一緒に暮らせるならいいよ!」

「“光崎コウイチシェフ”、いいね〜!そうしよ!!」


 イチに本当にその気が起きるかはわからない。
 それでも今、イチの可能性は無限だ。
 どうなるにしても私は、イチとこれからも乗り越えていきたいと思う。

 イチといればこれから先もきっと進んでいける、そんな気がしたから。

 私にとってイチは、これからもずっと私の大切なパートナーだ。