水と油の私達

「お前がちゃんと薪を好きならいいんだよ。ただ、その意思がしっかりとわかんねえ」

「っ、そ、れはっ…」

「だから、銀狼のスパイかもしれねえって、下っ端も傘下も考えたら最悪、銀狼と正面衝突だ」

「っ…」


抗争、ね…

マナと称えられ、裏切り者と罵られ、スパイだと疑われる。

いつになったら私は、ただの青原由乃に、戻れるのだろうか。



「…」

「一度なにかしらの称号やら悪名やら付けられた人間は、死ぬまで一生その名がついて回る」

「裏切り者でスパイかもしれない最悪の元姫マナ、ね…」



思わず笑いたくなってしまうほど、情報過多で、矛盾している。

なにより、どこにいっても結局、たらい回しにされるだけ。



「けど、それを覆すかどうかはお前次第だろ?」



そう言ったりつの顔は、ステンドグラスに反射した太陽の光によってキラキラと輝いていて…

なんだか少し、格好いいと思ってしまった。