水と油の私達

粉桃以外に初めて気づかれた。

この口調が元々じゃないこと。

確かに違和感はあるだろうと思っていたけどそこまで気づかれないと思っていたのに。



「ほんとは相当口悪いだろ。それこそおれなんかより」

「別にいいでしょう」

「気持ち悪いんだよな」

「…喋れなくなったのよ」



ポツリと出た言葉。

りつはそれを逃さない。



「違うだろ。喋らないようにしてんだろ」

「えっ、?」

「大方、前の男にでも言われたんだろ?もっと女っぽい口調にしろみたいな」


どうしてわかるのよ…

綾みたいに女っぽくなれよと言われた後から、元の口調では喋らないようにしていた。

そうしないと裏切られる。

他の子にとられちゃう、って。



「別にわざわざ口調荒くしろって訳じゃねえけどさ、もっと自然にしてもいいんじゃね?」

「りつのくせに。うざい、くそ男」

「それ、いいじゃねえか」



得意気に笑うりつ。

ムカつくし殴りたい、けど、悪くない。