高校卒業後、名前さえ書けば入れる短大に入学したサヤカは、相変わらずだった。

ヨッコたちと学校は違うものの、今でいうマイルドヤンキー丸出しで、頻繁に集まっては、

「地元サイコー！イェーイ！」

などと、他の都市に住んだこともないのに、馬鹿騒ぎばかりしていた。

就活もすぐ嫌になり、実家が裕福ということも幸いし、卒業後は、家事手伝いという名の無職。

親に小遣いを貰って、友達と飲み歩くか、男たちと寝るかという生活を、ずっと続けた。

そんな彼女は、１５才から２５才までの間に、３回堕胎をしているのだが、サヤカは４７才の今でも、

(２５からはずっと大丈夫だし、ラッキー)

ぐらいにしか思っていなかった。

現実は、ラッキーという訳ではなく、堕胎を繰り返した為に、もう妊娠出来なくなっただけと思われる。