あれから10年が経った。

 姫は17歳。高校2年生だ。家の近くの高校に通っている。
 家事は仕事で忙しい母と分担している。
今日も元気に学校に行く。

「お母さん、私学校に行ってくるね」

「いってらっしゃい。あっそうだ、今日は学校終わったらAZホテルにまっすぐ来てね。話したいことがあるの」

「うん?分かった。んじゃ、いってきます」
 
姫は花梨の言葉を疑問に思いながら学校で1日を過ごした。
 
 そして、七限目が終わり解散となった。
 荷物をまとめて母の言うとおりにAZホテルに向かった。
 入り口のところに花梨が待っていた。

 「あっ、お母さん」

 「来たわね、案内するからついてきて」

 「はーい」

 そう言って母の後を追った。