「あとは、コードネームだな。」

解析は任せることにして、ライ姉さんの瞳をチラリと覗き見る。

怪盗にはコードネームは必須。

(あっ…、そういえば。)

「…マラヤガーネットに似てる。」

「あ~!確かにっ!」

いつの日か見た、本と同じ写真、いやそれ以上の宝石の瞳。

(でも、マラヤガーネットって…長すぎ。)

「"garnet"はどう?」

と、ライ姉さんが完璧な発音でポツリと呟く。

「ガーネット、良いかもっ♪」

じゃあ、決まりだ。

「〈コードネーム:garnet〉よろしく。」

「こちらこそね。」


《俺達の怪盗物語は新たな章へと始まる。》

〜Fin Ⅱ初恋の同級生を救出せよ に続く〜