2023年1月5日 午後2時…………




「いやぁ〜しかし、新年早々大変な事になりましたなあ〜」


「まったく……私、昨日初詣に行ってね…その時におみくじ引いたんですよ!『大吉』だったんでこりゃ新年から縁起がいいって思ってたんですがねぇ〜」



「大臣、そりゃお気の毒。しかしこれは考えようによってはチャンスですよ!今回の作戦が成功したら、我々民民党は人類を危機から救ったヒーローですからなっ♪与党に返り咲くのもやぶさかではありませんぞ♪」



「ええっ!与党なんて夢みたいな話じゃないですかっ!」



「そうですよ、なにしろ銀座へ飲みに行っても与党と野党じゃホステスの態度が全然違いますからねっ」


「そうなんですか?やっぱり『腐っても与党』ですな〜」



失敗すれば人類滅亡という緊張感などまるで感じられない幹事長と元防衛大臣の山本 泰造の二人は、約束の時刻よりおよそ三十分遅れで例の装置を所有する『沢田研究所』へと到着する。研究所では、本作戦の主役となる沢田博士とこの研究所におよそ一時間前に入り、装置のセッティングを手伝っていた衆議院議員 『真実 一路』が二人の到着を今か、今かと待っていた。



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