言われてみれば同じ名字。
私はツバキさんの背中を追いながら考える。
「行くお店、ブランドじゃないですよね? 高いところはちょっと」
「大丈夫、俺の金銭感覚は正常」
「すごく信用ならない」
「大丈夫、俺が連れてきたんだから」
道と人をするすると抜けて、路面店に到着する。
重たそうな透明な扉が開かれ、中へ入る。
「いらっしゃいませ、ツバキ様」
いきなり話しかけられ、名前まで呼ばれている。
私はその影に隠れるように黙っていた。並ぶ洋服は確かに同年代くらいの若者が着るようなデザイン。
ただリクルートスーツで来る場所じゃない。



