それにしても、本当に私は来て良かったのだろうかと思いながら高級そうなマンションの階段を上る。 「人生ゲームがあるんですか?」 実家にそういえばあったなと懐かしくなり、尋ねた。 「ない」 「え?」 「篠山はあのまま俺の家で眠っていく算段だろうな」 どんな算段……。それなら尚更降りれば良かったと後悔しながら、夜空を仰いだ。 星が見えない。 街が明るすぎるんだ。 そんなことに急に心細くなる。 「寧子ちゃん、おいで」 自動扉の前でツバキさんが待っていてくれている。 私はそれに駆け寄った。