口々に言われ、どうどうと宥める。 「あ、すみません、お友達? ですか?」 一人が後ろへと視線をやった。 同じようにそちらを見れば、彼がきょとんとした顔でこちらを見遣っている。 いや、お友達では。 「あ! これから予備校行かなきゃなんです、すみません!」 「寧子せんぱい、また今度!」 嵐のように過ぎ去っていく女子高生たち。 友達ではなくお客さんなんだけど。 「すみません、高校の女子バレー部の後輩たちで」 「え」 「え?」 「女子」 彼はもう一度復唱した。 女子。 ああ、なるほど。