なんだろう、この空気。 「はい」 「久しぶりに同い年の友達できた」 「とも……」 友達ではないと思う。 神社の方へと自転車を向ける。 突然の友達判定に口を噤んでいると、前から自転車に乗ったジャージ女子二人が来た。見慣れたジャージの色。 「寧子(ねいこ)せんぱーい!」 ぶんぶんと振られる手に、こちらも返しながら坂をおりる。 途中、二人は自転車をおりてやっと中間地点で落ち会えた。 「部活終わり?」 「そうです、三年生いなくて体育館が広いです」 「寧子せんぱいも偶には来てくださいよ」