私以外の四人がさっと顔色を変えて、声を潜めた。 「とりあえず場所移動しましょう」 篠山さんが動かないヤマダさんを引っ張り立たせる。 マネージャーさんがぱっとこちらを見た。 漸く私に気付いたように、目を丸くさせる。 「そういえば、どちら様……」 ああ、ほらまた。 私は誰なんだろう。 「寧子ちゃん。俺のとも、」 「赤の他人です。お邪魔しました」 ヤマダさんの言葉を遮り、頭を下げて誰より先にファミレスを出た。 そのまま外に停めた自転車に乗って、寒い夜の中を泳ぐように、漕いだ。