伝わったのかどうかは分からないけれど、ヤマダさんはふにゃと笑って片手で顔を隠した。 「寧子ちゃんはやっぱり一等星だな」 「いっとうせい?」 「あれ、おおいぬ座のシリウス。一番明るい星」 指で示す先を見れば、確かに明るい星。 聞いたことのある星座に頷くと、ヤマダさんはその手で私の頬にそっと触れ、小さく呟いた。 「君は俺の星だ」 誰にも聞こえないような声で。 私には聞こえるような声で。