瞳の中で好きって言って

教室へ入り、自分の座席を探していると、杉崎君の姿が視界に入った。
やっぱり隣…だよね。
「じゃあ梨菜ちゃん、またね♪」
「うん、また…」
秋元君と離れ、自分の席に座る。
杉崎君はスマホを触っていて、私の方に目を向けることはなかった。
どうしよう。おはようくらい言ってもいいのかな…
顔は見れないと言われたけど、話すのはOKなのかな…?
「おはよう」
「…っ!」
思いがけず、杉崎君の方から声をかけられた。
顔はスマホを見たままだけど、まさか彼の方から挨拶してくれるなんて…。
「お、おはよう…」
なんだか気まずくて、私も杉崎君の顔が見れなかった。
「ごめん、何も言わず先に出て。なんか慣れない布団で目が覚めちゃってさ」
「あ、全然気にしないで!そうだよね、初日だしなかなか寝れないよね!
 私はぐっすり寝ちゃったけど!ははは…」
気まずさを隠すために元気な声を作ってみたけど、なんだか虚しい…。

うなだれていると、スピーカーから軽快なメロディーが流れてきた。