瞳の中で好きって言って

私の方から繋いじゃって良いのかな?
普通は男の子の方から繋いでくるもの…?
どうするべきか分からずにただ前を向いたまま立っていると、
左手の指にそっと指が差し込まれた。
「繋ぐよ」
小さな声でそう言った杉崎君は、ぎゅっと私の左手を握った。
「……っ」
昨日、会って数秒で私を拒絶してきた人の手だとは思えない。
大きくて、あたたかくて…優しくて、でもしっかりと私の手を繋いでいる。

なんでだろう。
向かい合ってもいないのに、片手だけなのに、
さっき握手した時よりもずっとドキドキする。

心臓の音が大きくなり、顔が赤くなっているのが自分でもわかる。
こんな顔を見られるのは恥ずかしいけど、良いのか悪いのか杉崎君に見られることはない。
じゃあ杉崎君は…?

ふと好奇心に駆られた私は、左隣に立っている彼の顔を見上げる。
「え……」
わずかながら頬を赤らめている杉崎君の顔に驚いた。

どうして赤くなるの?
顔を見るのも嫌な相手と手を繋いでるのに?
私のこと嫌いなんじゃないの…?