小鳥たちの庭園

わしゃわしゃと頭をなでながら言うと梨帆は恥ずかしそうに顔を赤らめてうつむいた。

反応までかわいいなんて……! 男しかいなかったむさくるしい中に天使が来ちゃったよ!! 茉子感激。

 そうやってテンションが上がっていればコンコンとノック音が聞こえた。

「はーい、誰?」

梨帆から離れ、ドアを開ける。

「茉子さん、ただいまです! りーさんに新しい子のとこに挨拶に行ってきなって言われたので来ちゃいました」

 尻尾があればすごい勢いでふっているだろう笑顔で玲がえへへとわらった。どうやら、この空間には天使が二人いるらしい。かわいさの渋滞を感じながら梨帆に向き直る。

「えっとさっき言ってたもう一人の子で」

「田中玲(たなかれい)って言います。高1なんで梨帆さんは先輩すね! これからよろしくお願いしますね!」

 イケメンスマイルをきらきらと向けている玲に梨帆も慌てて立ち上がった。

「神崎梨帆です。えっと、こちらこそよろしくお願いします。田中くん」

「えー田中じゃなくて玲でいいですよ! ねぇ茉子さん、仲良くなるためにはまずは呼び方ですよね?」

「だよね! ま、私はもう茉子ちゃん呼びしてもらってるけどな!」

どうだ、いいだろー! と笑えば玲はずるいですと頬を膨らませる。その様子に梨帆は少し慌てて、悩んだ様子で

「え、え、っと、じゃあ……玲くん」

 はわわ、なんて可愛いの。さすがに梨帆的に呼び捨てはハードルが高かったのか私と同じように玲くんと控えめに呼んだ。