小鳥たちの庭園

「じゃあ諸君、くれぐれもりほりほを怖がらせないようにね。じゃありほりほ! まずは部屋から行ってみよう!」

そういって、私は振り返ることなく元気よくりほりほの手を引いてリビングを出た。


「と、こんな感じの説明で大丈夫?」

 部屋に案内し、荷物を整理し終わったところで梨帆に尋ねる。片づけがひと段落してから話していたこの家の説明はきっちりと伝わっただろうか。

「う、うん。」

「まあ簡単に話をまとめると食事、洗濯、掃除は当番制でリビングのホワイトボードを確認しとくこと。お風呂とトイレは基本的には一階が男子で二階が女子だから気を付けてねということ」

「うん」

「まあ、またわかんないことがあったら随時誰かに聞くといいよ。おすすめは凜太郎かな。あと、もう一人男子がいて、玲くんっていうんだけどその子でもいいかも」

 一番ダメなのは千颯だよと付け足せば、梨帆は勢いよくうなずいていた。きっとさっきので理解したのだろう。さすがに本気で手は出さないだろうけれど。


「あと、学校の手続きはもう終わってるんだよね?」

「う、うん。明日から通うことになってるの。一度行ったことはあるんだけど、ここからどうやっていくのかちょっとまだわかんなくて。だから、明日一緒に行ってもいいかな?」

 不安そうに眉を下げながらそういう梨帆線 に思わず抱きついてしまう。

「もーりほりほかわいすぎる! 天使か! いいに決まってるじゃん!! 電車通になると思うからまた明日行きながら説明するね」