小鳥たちの庭園

 そういうと黙って微笑まれる。怖い。怖いすぎる。大方内緒で来ていたか、誰かに頼んだのだろうけど、それにしたってヤバいやつには変わりない。

「茉子の歌、好きなんだよね。軽音に入ればいいのに」
「入りませーん、忙しいの知ってるでしょ。あの日はたまたま友達の学校の文化祭でトラブルがあったから代打のボーカル務めただけだし」
 思えば、そこが春との出会いになったわけだから懐かしいものだ。だからこそ余計に予期しない出演だったのかもかかわらず、その時の音源を手に入れてるのかが恐怖でしかない。
 ようやく止まったランニングマシーンから降り、更衣室に向かうため背を向ける。スマートウォッチがそろそろいい時間だということを教えてくれる。
 聞きたいことは聞けた。あとは、どうするかを帰ってから考える。ウン、悪くない。更衣室に向かいながら、あ、と思い出して振り返る。

「あとは、ちゃんと千颯とは話し合ってよ、_______千冬」

 そう言うと、新井千冬はただ手を上げて小さく振った。

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「りほりほー作戦会議しよう」
 扉あーけーてー、とバンバン叩けば、慌てて解錠する音が聞こえた。

「えっと、その、どうぞ」
 少し気恥ずかしそうに部屋の中に招き入れた梨帆は座ってください、とクッションを指す。ぐるりと見回せば、ピンクと白の女の子な部屋がお出迎えしてくれる。なんだか、いい香りまでするし、同じ間取りとは思えない。

「家具だんだん揃ってきたね。本当に可愛い」