小鳥たちの庭園

「あ、りほちゃんってああ言うのがタイプなの?」
 流石めざとい彩。ニマニマしながら梨帆を見つめると、梨帆は少し恥ずかしそうに言葉を詰まらせる。

「えっ、となんというか、顔もかっこいいなとは思うけど、誰かに似てる気がして」
「新井千冬に似てる人ってことは相当なイケメンね」
 百合がスマホで新井千冬を検索して、こちらに見せる。改めて見るとかなり整った顔をしている。梨帆はその写真を見ながら、腑に落ちなさそうな表情で考え込む。

「あ、というか違う。茉子ちゃんが何について悩んでるかって話だよ」
 ポンと手を打って話を戻した彩がずいっと対面の席から身を乗り出す。手で制しながら、梨帆を見る。

「最近りほりほが悩んでるみたいで私まで眠れないの」ぴえん、しくしくと目尻を拭えば、白けた視線が襲い掛かる。

「いや、でもりほりほが悩んでるのは本当で、ね? りほりほ」
 と同意を促せば、千颯のことを思い浮かべたのだろう。言っていいのかわからないという表情を浮かべたため、頷いてみせた。

「その、友達のことで悩んでて」
「あ、本当の奴だ。茉子ちゃん、ちゃんとしてよ」
「私は最初から言ってた」
「うるさい、聞け梨帆の話を」
 はい、と二つ重なった返事に満足したらしい百合が梨帆に続きを話すように促す。

「えっと、何か悩んでるみたい、というか思ってることがあるみたいなんだけど、聞いたらはぐらかされちゃって。でも、このままじゃ良くないとも思ってて」