「いや、一番うるさいの茉子ちんじゃん」
あー、聞こえね。千颯の声を無視し、玄関へと向かいドアを開ける。
「はーい、お待たせしました」
そういって出るとあわあわと落ち着かない様子で立っている女の子が目に入った。艶やかな黒髪をおさげにして緊張している様子でこちらを覗いている様子に思わずくすっと笑ってしまった。おどおどしているその姿でさえかわいい。
「あ、あの今日からここにお世話になるか、神崎梨帆(かんざきりほ)とい、言います。よ、よろしくお願いします!!」
ばっと勢いよく頭を下げた梨帆の指先に目がいく。わずかに震えている。それを掬い上げて、茉子はにっこりと笑みを浮かべた。
「ここで暮らしている白瀬茉子(しらせまこ)といいます。りほりほよろしくね」
「り、りほりほ?」
顔をあげ、少し戸惑った様子の梨帆は慣れない様子でこちらを伏し目がちに見つめる
「梨帆ちゃんでしょ? だからりほりほ。だいたいの話は聞いてるからとりあえず中に入ろう。あと知ってると思うけど残りのメンバーは全員男でちょっとキャラ濃いけど悪い奴はいないからまあ頑張って」
家の中に招き入れ、荷物を半分受け取って中に案内する。
「あ、荷物……! すみません……」
「いえいえ。とりあえず、一旦深呼吸しよう。肩の力抜いてー、はい、吸ってー」
先程から上がりっぱなしだった肩を軽くぽんと叩いて、一緒に大きく深呼吸する。梨帆は一瞬戸惑った顔をしたものの、小さく頷いて、目を閉じた。
吸って、吐いて、吸って、吐いて。
「どう? 行けそう?」
あー、聞こえね。千颯の声を無視し、玄関へと向かいドアを開ける。
「はーい、お待たせしました」
そういって出るとあわあわと落ち着かない様子で立っている女の子が目に入った。艶やかな黒髪をおさげにして緊張している様子でこちらを覗いている様子に思わずくすっと笑ってしまった。おどおどしているその姿でさえかわいい。
「あ、あの今日からここにお世話になるか、神崎梨帆(かんざきりほ)とい、言います。よ、よろしくお願いします!!」
ばっと勢いよく頭を下げた梨帆の指先に目がいく。わずかに震えている。それを掬い上げて、茉子はにっこりと笑みを浮かべた。
「ここで暮らしている白瀬茉子(しらせまこ)といいます。りほりほよろしくね」
「り、りほりほ?」
顔をあげ、少し戸惑った様子の梨帆は慣れない様子でこちらを伏し目がちに見つめる
「梨帆ちゃんでしょ? だからりほりほ。だいたいの話は聞いてるからとりあえず中に入ろう。あと知ってると思うけど残りのメンバーは全員男でちょっとキャラ濃いけど悪い奴はいないからまあ頑張って」
家の中に招き入れ、荷物を半分受け取って中に案内する。
「あ、荷物……! すみません……」
「いえいえ。とりあえず、一旦深呼吸しよう。肩の力抜いてー、はい、吸ってー」
先程から上がりっぱなしだった肩を軽くぽんと叩いて、一緒に大きく深呼吸する。梨帆は一瞬戸惑った顔をしたものの、小さく頷いて、目を閉じた。
吸って、吐いて、吸って、吐いて。
「どう? 行けそう?」

