小鳥たちの庭園

 庭を見渡せるバルコニーはそんな空気に浸るのには最適な場所だ。柵に寄りかかって空を見上げれば都会だと言うのに星さえ見られる。
 一番光っているのが金星だっけ? 小学校の理科の先生が言ってた気がするなんて思い出しながら星を目で追っていれば、バルコニーとリビングを繋ぐ戸が開く音がした。

「晴れ?」
「晴れだね。星が綺麗でさ」
 見てよ、と星を指差せば凛太郎も顔を上げる。「ほんとだ」と短く返した凛太郎は星を見るのも早々に、柵にもたれかかってこちらを見つめてくる。 

「なに、星より私が綺麗ってこと?」
「千颯の件だけど」
「あーはいはい、無視ね。はい、なんでしょう」
 ため息をこぼして、凛太郎から視線を逸らしバルコニー置かれている椅子に腰を下ろした。机に頬杖をつき、話の続きを促す。

「どうするつもり?」
「それはどうしてほしいかを聞いてくれって言ってる?」
「言って叶えてくれるんだったらね」
 凛太郎が緩慢な瞬きを落とす。どうやらただのバスケ部の部員同士というほど浅い関係でもないらしい。少なくとも、自分のエゴかもしれないとわかっていつつ、こんな風に人に相談するくらいには。
 大きく息を吐き出す。どうせこの幼馴染(仮)はこちらが話を聞くことを知っているし、こっちだって凛太郎が譲らないのも知ってる。長く付き合いがあるってのも面倒くさいものだ。

「ここを千颯が本音で話せる場所にしたい」
「まだなんも言ってないけど」
「どうせ聞いてくれるだろう?」