小鳥たちの庭園

 俺も詳しくは知らないけど、と続いた話曰く、千颯が小学生だった時に父親が亡くなったらしい。あとは、兄がいるけれど、連絡はあまり取っていないこと。凛太郎が知っていることと言ってあげたのはそれくらいだった。

「繋がりが見えなさすぎて普通に女好きって言われた方が納得いくんだけど」
 春が少し眉間に眉を寄せる。たしかに父親が亡くなっていることも兄と連絡していないことも女の子と遊ぶ理由にはならない。

「俺も詳しくは知らないしな。千颯も同じクラスとかじゃないから普段の様子まではわからないし」
「え、じゃあ、何繋がりなんですか?」
 思わず敬語が出た梨帆が目をぱちくりさせる。たしかに見た目凛太郎はザ、爽やかお兄さんだし、千颯は緩い色気のあるお兄さんって感じだから同じグループには見えないのだろう。

「部活が一緒でさ。俺ら、バスケ部なんだよね」
 驚いた様子の梨帆にうんうんと頷く。最初聞いた時はビックリした。だって、部活なんてやりそうにないタイプだし、ましてや、運動系の部活なんて汗くさーい、めんどくさーい、って言ってやらないような人だと思ってたし。
「スポーツとかしないタイプかと思ってました……」
「だよね、私も最初びっくりした。ちなみにこう見えて、たいちゃんは陸部だし、春くんは軽音だよ」
 梨帆、驚愕リターンズ。あからさまに軽音という言葉に目を丸くさせた梨帆は遠慮がちに春を見やって、そうして、もう一度こちらに視線を戻した。
 わかる。わかるよりほりほ。この面倒くさがりがなんで軽音にいるかわかんないよね。私もわかんない。