小鳥たちの庭園

 ああ、そういう。その言葉に頷いた皆に口角を下げる。なんだ、もっとハートフルな理由かと思ったのに。茉子、残念。

「じゃあ、茉子ちゃんも一緒に聞こうよ」
「いやいや、私は相性悪いから無理。りほりほがリビングで聞いてるのを聞いてるくらいがちょうどいいよ」

 どうせ、「彼氏いない僻みなのー?」からゴングが鳴るのが目に見えている。そうなったら、もう何にも探れない。梨帆もなんとなくやりとりが想像できたのか、「そうするね」と苦笑して一つ頷いた。

「てか、多分時期的な話もある気がするな。冬こんなんじゃなかったよね去年」
 半年前に来た時には外泊だってここまで多かったわけではないし、女の子が好きなんだろうなくらいだった。外泊が増え出したのもここ最近のことだし。

「凛太郎がなんか知ってんじゃないの。同じ学校だし、連れてきたのもそうじゃん」
 春が興味なさげに焼き魚をつつく。凛太郎は「あー、」と言うか言わないかの一瞬の迷いを漏らしたのち、「あいつの親父さんさ、もう亡くなってて、それがちょうど今みたいな時期でさ」と切り出した。
 緩慢な瞬きを落とす。思ってもみない切り出しに皆どう反応していいかわからないようで、春でさえで手を止めて凛太郎を見つめている。

「まあ、別に親父さんが亡くなったこと自体が原因ではない気はするけど。それくらいしか思い当たらないかな」