小鳥たちの庭園

　うーんうーん、と悩んでいれば前に座る玲が何か言いたそうにこちらを見ていた。え、なに。何かついてるっけ？　口元を指先で確認していれば、凛太郎が楽しそうに笑った。

「相川は可愛いんだ？」
　千颯が味噌汁を派手に吸い込み、大雅はギロっと凛太郎を睨んだ。玲を見れば、言いたかったことはこれらしい。苦笑しながらもで？　という視線が窺える。

「可愛いでしょ。あぁ、待って待って。たいちゃん足踏まないで」
「机の下でえっちなことしないでくれます？」
「千颯、お前の花畑みたいな脳内解釈やめろ」
　今度は大雅が千颯の足を踏んだらしい。いったぁい、と露骨な反応をする千颯に凛太郎がため息をこぼした。あ、ママが発動する。

「2人揃って家事全部やりたいって？」
　にこにこ。笑顔で圧かけんのがうまいんだよな、と感心しながら見つめていれば「勘弁して」と千颯が降参のポーズをとって、大雅が大きなため息をこぼした。


「あ、今週の土曜日、俺外泊だから夜いらない」
　食事も終盤。ご馳走様と食器を片手に立ち上がった千颯が土曜の食事担当である玲の肩に手を置いた。
　千颯事前に言えてえらいね。来たばかりの時の食事の無断欠席を上手に絞めた凛太郎の功績である。

「わかりました。千颯さんと大雅さん以外他は大丈夫ですか？」
　玲が見回すが手は挙がらない。
「あ、一応説明したけど、りほりほもいない時は誰かに伝えといてね。できれば早いうちに」