小鳥たちの庭園

「ん」と口を開ければ、「熱いけど大丈夫?」とお約束の心配言葉をくれる。コクコクと頷いて口内に届けられた熱に悶えるまで3秒。

「んっ〜〜!!」と熱さを訴えるこちらの視線に「だから言ったでしょ」とため息をつかれた。だって、いけると思ったんだもん。
 そして、口を手で押さえながらやっとの思いで飲み込んで、親指を立てる。

「美味しいです。硬さもバッチリ」
「よし、じゃあ、さっさと手を洗って準備して」
 これが前払いのお駄賃だ、と言わんばかりに押し付けられた(いただいた)じゃがいもを摂取したところで、いつものように準備を始める。

「なんか、まこちがやってもエロくないんだよなぁ」
 否、準備を始めようとした。横からいらない言葉が聞こえなければ。

「千颯、私にエロを求めるまで欲求不満になっちゃったの……可哀想……」
 うっうっ、と乾いた瞼を擦りながら哀れんであげれば、千颯がため息をつく。

「まこち、料理触るのに目触ったらよくないって。もう一回手、洗いなよ」
「リンちゃん、向井ご飯いらんってさ。あーやだやだうるさい子」
 お前がいらんこと言うからだろ、と足を踏んづけてやれば「まこちはかまってちゃんだね」と更に眉間に皺を寄せる羽目になった。

「てか、梨帆ちゃんは? もっと仲良くなろうと思ってたのに」
「あー、千颯に会いたくないから今日は帰ってこないってさ」
「はいはい、もう2人ともとりあえずてを動かせ、な?」