注文カウンターの脇に置かれた店の名刺を読み上げた梨帆に玲がにっこりと笑う。後ろからきゃいきゃい聞こえた女子の声に列ができていたことを思い出す。
「とりあえず、私は珈琲はいつもの奴で、ケーキはこの期間限定のをお願いします。りほりほは決まった?」
「あ、えっと、私はこの本日の珈琲とケーキはこの蜂蜜とりんごのものをお願いします」
「はーい、かしこまりました」
そう言って手際よく受付とレジをする玲を見る梨帆にこそっと耳打ちする。
「この後ろの女性のお客さん、だいたい玲くん目当てなんだよ」
ぱっと、驚いた表情をして控えめに後ろを見た梨帆は彼女たちの視線の先を理解したようで、「すごい……」と目をぱちくりさせていた。
玲が働き出してからカフェ激戦区の中でもいい位置に食い込むことができていると嬉しそうにここの店長が語っていたのを思い出す。
「お受け取りはあちらからお願いいたしまーす」
準備ができたようで受け取り口に呼ばれ、「じゃあ」と小さく口を動かしてから、梨帆と共に商品の受け取りに向かう。
「わぁ、美味しそう……!」
席に着くなりキラッキラした目でケーキを見つめる梨帆は珈琲が冷めないうちに数枚だけ写真を撮ったようだ。初めてこのケーキを見た時のワクワクは忘れられない。わかるよ、りほりほ……!
「そういえば、りほりほってSNSとかなんかしてんの?」
梨帆が人差し指と親指を少しだけ広げる。
「ちょっとだけ。前の学校の仲の良かった子と繋がってるくらいだよ。茉子ちゃんは?」
「とりあえず、私は珈琲はいつもの奴で、ケーキはこの期間限定のをお願いします。りほりほは決まった?」
「あ、えっと、私はこの本日の珈琲とケーキはこの蜂蜜とりんごのものをお願いします」
「はーい、かしこまりました」
そう言って手際よく受付とレジをする玲を見る梨帆にこそっと耳打ちする。
「この後ろの女性のお客さん、だいたい玲くん目当てなんだよ」
ぱっと、驚いた表情をして控えめに後ろを見た梨帆は彼女たちの視線の先を理解したようで、「すごい……」と目をぱちくりさせていた。
玲が働き出してからカフェ激戦区の中でもいい位置に食い込むことができていると嬉しそうにここの店長が語っていたのを思い出す。
「お受け取りはあちらからお願いいたしまーす」
準備ができたようで受け取り口に呼ばれ、「じゃあ」と小さく口を動かしてから、梨帆と共に商品の受け取りに向かう。
「わぁ、美味しそう……!」
席に着くなりキラッキラした目でケーキを見つめる梨帆は珈琲が冷めないうちに数枚だけ写真を撮ったようだ。初めてこのケーキを見た時のワクワクは忘れられない。わかるよ、りほりほ……!
「そういえば、りほりほってSNSとかなんかしてんの?」
梨帆が人差し指と親指を少しだけ広げる。
「ちょっとだけ。前の学校の仲の良かった子と繋がってるくらいだよ。茉子ちゃんは?」

