「はいはい、わーったから。てか、公衆の面前で叫んでんじゃねぇよ」
あきれたようにそういう大雅はほんの少し疲れているのかもしれない。いつもより威勢が3割減である。だが、私は追い打ちをかける!
「……それって公衆の面前じゃなきゃいいってことですか?」
ニヤニヤと口角を上げながら大雅を見上げれば今度こそどすの利かせた「あ”ァ?」が聞こえる。
「都合のいい頭してんなぁ、保護者召喚すんぞ」
脅し文句が先生みたいだが、効果は抜群である。
「うわー授業間に合わないからいーそごっと」
本当に召喚される前に慌てて大雅のもとを離れる。ここでいう保護者というのは言わずもがな凜太郎のことである。一度だけ冗談だと思っていて調子こいていたら本当に「緊急」と言われてきた凜太郎が来て
「白瀬」
とにこやかに、口元だけ上手に笑って見下ろされたので、召喚される前にさっさと退散するのが吉である。あの時の目でモノを語る感じ、茉子絶対忘れない。
「じゃあ私も行くね、水谷くんバイバイ」
後ろをちらりと見れば彩と水谷が手を振りあっているのが目に入る。
「さっさとくっつけばいいのに」とぼそりとつぶやけばいつの間にか隣に来ていた百合がふふっと笑う。
「私もそう思う」
***
「じゃあ、また明日ね」
「うん、また明日」
バイバーイ、と手を振り合った教室前。彩は自転車通だし、百合は徒歩のためいつもここでお別れである。親睦を深めるためにお茶でも、なんて話が上がったが、百合はバイトで彩は部活。また今度ということになった。
あきれたようにそういう大雅はほんの少し疲れているのかもしれない。いつもより威勢が3割減である。だが、私は追い打ちをかける!
「……それって公衆の面前じゃなきゃいいってことですか?」
ニヤニヤと口角を上げながら大雅を見上げれば今度こそどすの利かせた「あ”ァ?」が聞こえる。
「都合のいい頭してんなぁ、保護者召喚すんぞ」
脅し文句が先生みたいだが、効果は抜群である。
「うわー授業間に合わないからいーそごっと」
本当に召喚される前に慌てて大雅のもとを離れる。ここでいう保護者というのは言わずもがな凜太郎のことである。一度だけ冗談だと思っていて調子こいていたら本当に「緊急」と言われてきた凜太郎が来て
「白瀬」
とにこやかに、口元だけ上手に笑って見下ろされたので、召喚される前にさっさと退散するのが吉である。あの時の目でモノを語る感じ、茉子絶対忘れない。
「じゃあ私も行くね、水谷くんバイバイ」
後ろをちらりと見れば彩と水谷が手を振りあっているのが目に入る。
「さっさとくっつけばいいのに」とぼそりとつぶやけばいつの間にか隣に来ていた百合がふふっと笑う。
「私もそう思う」
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「じゃあ、また明日ね」
「うん、また明日」
バイバーイ、と手を振り合った教室前。彩は自転車通だし、百合は徒歩のためいつもここでお別れである。親睦を深めるためにお茶でも、なんて話が上がったが、百合はバイトで彩は部活。また今度ということになった。

