小鳥たちの庭園

 そんなことを真顔で言われる自分にいかに信用がないかということを思い知らされた気がした。

「私は野獣か何かなの?」

 そんなことを言えば百合はまたもや真顔で「普段の行いを省みろ」と冷たい視線をくれた。少なくとも千颯のポジションにいるとは思いたくない。

 彩も変なとこで頷かないでよと思いながら隣の梨帆を見れば「ええっと」と困りぎみに眉を下げている。

「転校生を紹介する、入っていいぞー」とドラマあるあるを生で見ることができた午前。
 それが終わればすっかり梨帆はもうみんなと打ち解けていた、かといわれるとちょっと怪しいがある程度はなじめているような気がする。

 お昼休みに私の友達とご飯を食べるくらいには、と付け足しておこう。

「ていうか親御さんが海外出張ってことは梨帆ちゃんは一人暮らししてるの?」

「あ、そうじゃな」

「ふっふーん、それについては私がお答えしよう。りほりほは下宿所暮らしなんだって!」

「そうなの? てかなんであんたが答えんのよ」

 百合のあきれた視線に「えへへ」と笑って返せば「かわいくないわよ」と精神攻撃を繰り出された。解せぬ。

「りほりほと私がいかに仲良くなったかというアピールです。ね、りほりほ?」

 目で「話し合わせて」と言いたげに視線を送れば梨帆は「へ? あぁ、うん」と困惑しながらも合わせてくれた。昨日、うっかり説明し忘れていたと反省しつつ、訝しんでいる百合に

「ね?」
と促す。

「はいはい、とりあえずなにはともあれこれからよろしく、梨帆」