小鳥たちの庭園

 火に油を注ぐように私がそういえば、隣に座る大雅は「あ”ァ?」といかつい声を出す。

「うるさいから」
 そしてそれをずばっと切り捨てるのは春。大雅であろうが誰であろうが物怖じしないその性格には感嘆するものがある。

「てか、しれっとしてるけど元凶は茉子だからね」

「ごめんな、春くん。でもほらたいちゃんを愛でないと生きてけない症候群だからさ」

「やっぱこいつ捨ててきたほうがいいかもしんねぇな」

 ぼそっと聞こえたそんな声は聞かなかったことにする。

 ツンデレなんだなーなんてここでまた言えばその冷たい視線にいい加減を殺されそうなのでそれはやめておく。

「えっと……」
「あー気にするな。いつものことだし」

 お誕生日席に座る梨帆が戸惑っているのを察知したのか凜太郎が苦笑する。

「えっと、二人は幼馴染……だったりするんでしょうか」

 途中から敬語になってしまったのは隣の大雅がものすごいオーラを出しているからに違いない。眉間に皺寄せあからさまに嫌な顔をする大雅を見て「ひぇっ」と小さく声を漏らした梨帆がかわいそうである。

「誰がこいつと幼馴染かよ、死んでもごめんだわ」

「その言葉は心外だけど、まあ、どっちかというと幼馴染枠に入るなら凜太郎と私かな」

「そ、そうなの?」


 意外だったのか梨帆はこちらと凜太郎を交互に見て目を瞬かせる。まあ実際は幼馴染ではないが、それに近い関係ではあるからあながち間違いではない。

「一番付き合いが長いっていえばそうかもな」
「心の距離も近いもんね!」