episode.1 父と娘

時は平安

日本最強とも言われるほどの力を持った大妖怪

紅山紅月は狐妖怪の家系で古の力で日本を治めていた

これはそんな大妖怪の娘の話



「あの...父上...教えていただきたいことがあって...」

「貴様に教えてやるような簡単な話はない」

あ.........

いつからであるか

元々表情が変わるところを見たことがないがそれに加えたあの眼

こんなにも冷たい氷のような眼差しで娘を見る父親が他にいるだろうか

他の家にあるような暖かい眼差しなんて向けられることもなく大人になるのか...

つまらぬ人生になる

そう思うようになったのは生まれて4年経った頃だった



母「薫...あの父に愛なんて求めてはならぬぞ」

母は冷たくされる私のことをよく気遣ってくれる厳しいが優しく何よりも美しい妖かしだった

私の心の拠り所でもあった