私にはもう、朝は来ない。

幼なじみの彼ならすぐに気づいてしまうのではないかという焦りのせいか、ドクドクとなる心臓が少し、うるさかったが、それを隠すように白けた顔をした。

いつもと同じ、少し涙袋がぷっくりとして、少し上がった口角。

いつも通り、変わってなくて良かった。

その後も他愛の話をして通学路を学校に着くまで歩き続けた。

その時、通学路にある家の窓から覗く、可愛らしいピンクの植木鉢の土がグチョグチョになって、今にも植木鉢の中の観葉植物が溺れそうになった光景が頭の中に浮かんだ気がした。

学校に着くと親友の繭が、私の方へ駆け寄ってきた。