「お前さえ産まれてこなければっ!!」
お酒の瓶を思いっきり持ち上げたお父さんは私へ向かって振り下ろした。
頭上でバリンッと痛々しい音が響き渡る。
痛みに耐えていると、ツーっと温かいものが頬を伝って流れてくる。
それでもお父さんの暴走は止まらない。
「お前が美和子を殺したんだ!」
その罵声と共に握り拳が飛んでくる。
痛い、痛いよお父さん……。
私死んじゃうよ……。
……なんて言えなかった。
言ったらもっと、酷くなるから。
お母さんのが痛かったんだって、何度も何度も同じところを殴られる。
こんな世界が嫌いだった。
周りの人は幸せそうに家族のことを語る中、自分の親を語ろうとすると辛くても涙の出ない苦しさに襲われる。
辛くて苦しくて、これだったらもう死んだ方がマシなんじゃないかと何度も思った。
毎日のように。
「お前なんか……。お前なんか死んじまえ!!」