私の光になった人

おやすみと各々部屋に帰ったあと。
コンコンと壁がノックされる音が聞こえた。
返したほうがいいかな?と壁に近づいていくと、そっち行ってもいい?と今度は声が聞こえてきた。
「うん、いいよ」
「そっち行くね」
壁越しの会話は新鮮で、寮ではない、不思議な場所にいるような感覚に陥った。
ノックの音が聞こえて、扉が開く。
ゆっくりと中へ入ってきたかと思ったら、私の前に座った。
「どうしたの?」
部屋に来るのは私がうなされているときだけで、2人とも起きているのに同じ個人スペースにいると思うとそれこそなんだか不思議だ。
「返事しにきた」
その言葉を聞いた瞬間、謎の緊張感が自分の中に走る。
Yesだったらなんの問題もない。ただお互いが幸せなだけだ。
でもNoだったら。カップルを解消してトレードすることになるのかな。
咲夜くんの目を見るのが怖い。
少し俯いたまま返事を待っていると、私の手に咲夜くんの手が触れた。
そのあと、すぐのことだった。
「俺の彼女になってください」
優しい目付きでそう言った。