「ほんと?よかった」
咲夜くんはあの日、私の告白にそう答えた。
告白だとは思っていないみたいだ。
(このケーキ)好き。
そう思われたんだろうな。
よかったような、そうでもないような。
初めての感覚に頭がいっぱいになる。
改めて告白する?
でもさすがにそれは勇気がいる。
今後も一緒に活動していくパートナーとして、告白に失敗して気まづいのは私がもたない。
でも、だからといってこの気持ちを伝えずに隠しておけるかと言われると無理な気がする。
こういうときに恋愛相談をできる友達を作っておくべきだった。
女の子と話してると、その子のパートナーの男の子が出てきてしまう。
だから夏休み過ぎて結構な日数が経った今も、友達は0のままなのだ。
インターネットで調べてみるも、クラス分けや卒業で後悔するなら告白すべき!とか、当たり前だけど付き合う前に同棲している状況に合ったアドバイスは見つからなかった。
もうこれは、タイミングかチャンスを待つしかないのかな。
あの時は、タイミングじゃなかった。
もっと言うなら、食べ終わって少し談笑しているときの方が告白するにふさわしかった気がする。
……恋愛って、難しい。
つくづくそう思った。