メリーゴーランド、ゴーカート、ジェットコースター。
乗りたいものに並んで、それを楽しむ。
アトラクションに乗りながら園内を一周する頃には、もう日が傾いていた。
「あれ乗って帰ろっか」
「うん」
向かった先は誰しもが憧れるであろう観覧車。
スタッフさんからのいってらっしゃいを手を振って返し、遊園地の明かりでキラキラと輝く世界を見つめる。
「綺麗……」
「観覧車の凄さが分かるわ」
そのあとはずっと無言で、ただひたすら同じ格好で同じ景色を眺めていた。