私の光になった人

「比菜はさ、なんで七海学園に来たの?」
ほっと一息ついたとき、不意に聞かれた。
これは、あの時の、咲夜くんが金の夫婦の卵を本気で目指してここに来たのかが知れる質問だった。
でもまずは、私から。
「好きな絵本があって。これ、なんだけど」
咲夜くんがお風呂から出るまでと思ってここで読んでいた。
「この本みたいに運命の人に出会えるならって思ってここに来た。あの七海学園のCMは、私の光そのものだったの」
だから私はここに来た。
ここ以外に志望校なんてなかった。
「咲夜くんは?」
「俺は母さんに言われて来た。1位になって家を裕福にしろって。でも俺がここに来た理由はそんなんじゃなくて、家に帰らなくていいことが理由」
家族から離れる。
それが寂しく感じる人のが多いんだろうけど、私たちは違った。
お父さんと離れることが出来て私は安心しているし、咲夜くんは家に帰らなくていいと言ったとき、表情に希望が見えた。
この学校は、私たちに光をくれたんだ。