頬を両手で叩いて、気を引きしめる。
ずっと隠し通せるわけが無いんだ。
咲夜くんが暇だったら、一緒に来てくれるのなら。
私の家族のこと、今日話す。
降りていくと、咲夜くんは椅子に座ってスマホを触っていた。
「おはよう」
「おはよう。大丈夫か?」
顔を見ただけで心配してくれる咲夜くんを怖いと思っていたときがもう既に懐かしく感じる。
今はもう、この学校でいちばん信頼している人だ。
「……咲夜くん、今日暇?」
深呼吸をした私は、咲夜くんの目を見て聞いた。
「暇だよ。どうした?病院行く?」
慌てふためく咲夜くんを落ち着かせて、昨日のことを話したいから着いてきて欲しい旨を話した。
「じゃあ、明日は俺の話しないとな」
優しく微笑んだ咲夜くんは、準備すると言って自分の部屋へ上がって行った。