その5
祥子
後にファーストレジェンドと語り継がれることになったあの夏の都県境…
私は気が付けばその中心にいたよ
麻衣が南玉連合の土台をぶっ壊すという手法によって、ヤクザの関与する墨東会ら男組織も巻き込むスケールでフレーム再編はなされた
紅組・南玉ラインの既存勢力と、紅組離脱グループをはじめ、私らフリーを含めた反既存勢力を結集させた麻衣が仕掛けた両陣営の決着は、自らが火の玉川原で横田競子とのタイマンでその幕を閉じた訳だが…
麻衣は公言通り、南玉総長の合田荒子を拉致監禁下で左足を骨折させたケジメをつけ、左手小指の骨を折られに行ったんだ
で…、何と、その場で除名された南玉へ復帰することを申し出て、合田の首を縦に振らせてきたよ
ヤツはあくまで、新たな組織再建にかかる南玉連合のフレーム内で、おそらくは生まれ変わった南玉の主軸を担うであろう、新加入の横田とやり合うってことなんだろうけどね
麻衣は同時にレッドドッグスも南玉に戻すことも合田から承諾をとってきたんだが、問題は総長の合田が私らの復帰を認めても、南玉全体の承認を得ることができるか…、ってことで、この件は南玉の臨時総会で諮られることになってね
だけど…、この流れはその後の都県境に確立される新たなフレームを主導することになって、一年後の夏、相和会会長の病死とも連動したラストレジェンドにつながっていくんだよな
今思うと、あの時、すでに私らはどこかそれを予見していたわ
麻衣が合田の通う清澄学院に骨を”置いてきた”あの日…
たしかに、あの時、麻衣は翌年の夏、私とバグジーが排赤×反排赤の最終決着の場で戦うことにななる、都県境の猛る女たちを待ち受ける運命をなんとなく感じ取っていたよ
あの日…、大黒病院で骨折した指の治療を受けた麻衣のもとには、私と真樹子さん、それに、合田の下へ久美と静美を伴っての運転手として麻衣と同行した三田村峰子さんの4人だったな
…
麻衣のヤロウ…、ついにやり遂げちまったか!
南玉総長の合田を骨折させた行為のケジメをつけに、合田の下へ乗り込んで、今度は自分の骨を折られてきた
イカレてるとしか言いようがないが、なんと麻衣は、あんな形で南玉をおん出たばかりなのに自分とレッドドッグスを南玉に復帰させる同意を合田から取り付けてきやがったよ!
麻衣の突破力は、ますますアップしてるんじゃねえのか
もろ敵陣に実質一人で乗り込んで密室の7人余りを前にし、謝罪はするけど反省してるとは言えないってぶち上げ、あの赤い狂犬を了解させちまったってんだからな…
どう考えても、ふざけんなバカヤローだって、普通は
まあ冷静に考えてみれば、麻衣はしたたかに計算して、伏線なり既成事実化への布石を巧みに打ってきてるよ
おそらく狂犬は今日の決断の前に、しっかりかみ砕いていたはずだ
麻衣と我々が、いざ新生南玉連合にリターンした場合、どんな影響がもたらされるかをさ
その上で了としたんなら、狂犬の描く南玉連合再建像とは一体…⁉
...
「麻衣がイカレてるのは向こうも先刻承知なんだ。もうお前が南玉へ再殴り込みするのを応援する立場だろう。私もすっかりその気になった(笑)」
私ははっきり言ってやったわ
「”再殴り込み”か…。それなら私も麻衣さんにそれ、やってもらいたいわね。で、三田村先輩…、そうなるとどんな持って行き方が効果的でしょうかね」
アハハハ…、真樹子さんもその気なってくれたようだ
「そうねえ…。マキが言った通り、ポイントは横田競子になるわよね、やっぱり。今巷ではさ、火の玉決戦で英雄になって、この子が話題の中心だから。まるでジャンヌ・ダルクだよ。ならさ、その横田と麻衣の決着は、同じ組織内の中で互いの信条をぶつけ合うステージへってところに誘導するか…」
うん…、さすがだな、三田村峰子は
...
「あと、ドッグスに限れば、事実上南玉の対抗基盤となるキャビネットへの結集勢力を水増しで喧伝してやってさ、南玉メンバーの危機感をあおるってのもね…。何しろ走りの部隊の頭数じゃあ、真樹子さんの率いる部隊だけでも、あっちを圧倒するのは明らかだし。狂犬さんが新しい南玉連合をどういう方針で考えているにせよ、連中としては焦るでしょ、やっぱり」
うん、言えてるわ、これ
はは、麻衣もさすがだ
今の段階で、南玉は都県境最大勢力の座を明け渡したことになる上、木戸が出たとしたら、キャビネットにドッグスを連れて参画と見るだろうし…
こりゃ、私らの出戻りも現実味を帯びてきたかな(笑)
祥子
後にファーストレジェンドと語り継がれることになったあの夏の都県境…
私は気が付けばその中心にいたよ
麻衣が南玉連合の土台をぶっ壊すという手法によって、ヤクザの関与する墨東会ら男組織も巻き込むスケールでフレーム再編はなされた
紅組・南玉ラインの既存勢力と、紅組離脱グループをはじめ、私らフリーを含めた反既存勢力を結集させた麻衣が仕掛けた両陣営の決着は、自らが火の玉川原で横田競子とのタイマンでその幕を閉じた訳だが…
麻衣は公言通り、南玉総長の合田荒子を拉致監禁下で左足を骨折させたケジメをつけ、左手小指の骨を折られに行ったんだ
で…、何と、その場で除名された南玉へ復帰することを申し出て、合田の首を縦に振らせてきたよ
ヤツはあくまで、新たな組織再建にかかる南玉連合のフレーム内で、おそらくは生まれ変わった南玉の主軸を担うであろう、新加入の横田とやり合うってことなんだろうけどね
麻衣は同時にレッドドッグスも南玉に戻すことも合田から承諾をとってきたんだが、問題は総長の合田が私らの復帰を認めても、南玉全体の承認を得ることができるか…、ってことで、この件は南玉の臨時総会で諮られることになってね
だけど…、この流れはその後の都県境に確立される新たなフレームを主導することになって、一年後の夏、相和会会長の病死とも連動したラストレジェンドにつながっていくんだよな
今思うと、あの時、すでに私らはどこかそれを予見していたわ
麻衣が合田の通う清澄学院に骨を”置いてきた”あの日…
たしかに、あの時、麻衣は翌年の夏、私とバグジーが排赤×反排赤の最終決着の場で戦うことにななる、都県境の猛る女たちを待ち受ける運命をなんとなく感じ取っていたよ
あの日…、大黒病院で骨折した指の治療を受けた麻衣のもとには、私と真樹子さん、それに、合田の下へ久美と静美を伴っての運転手として麻衣と同行した三田村峰子さんの4人だったな
…
麻衣のヤロウ…、ついにやり遂げちまったか!
南玉総長の合田を骨折させた行為のケジメをつけに、合田の下へ乗り込んで、今度は自分の骨を折られてきた
イカレてるとしか言いようがないが、なんと麻衣は、あんな形で南玉をおん出たばかりなのに自分とレッドドッグスを南玉に復帰させる同意を合田から取り付けてきやがったよ!
麻衣の突破力は、ますますアップしてるんじゃねえのか
もろ敵陣に実質一人で乗り込んで密室の7人余りを前にし、謝罪はするけど反省してるとは言えないってぶち上げ、あの赤い狂犬を了解させちまったってんだからな…
どう考えても、ふざけんなバカヤローだって、普通は
まあ冷静に考えてみれば、麻衣はしたたかに計算して、伏線なり既成事実化への布石を巧みに打ってきてるよ
おそらく狂犬は今日の決断の前に、しっかりかみ砕いていたはずだ
麻衣と我々が、いざ新生南玉連合にリターンした場合、どんな影響がもたらされるかをさ
その上で了としたんなら、狂犬の描く南玉連合再建像とは一体…⁉
...
「麻衣がイカレてるのは向こうも先刻承知なんだ。もうお前が南玉へ再殴り込みするのを応援する立場だろう。私もすっかりその気になった(笑)」
私ははっきり言ってやったわ
「”再殴り込み”か…。それなら私も麻衣さんにそれ、やってもらいたいわね。で、三田村先輩…、そうなるとどんな持って行き方が効果的でしょうかね」
アハハハ…、真樹子さんもその気なってくれたようだ
「そうねえ…。マキが言った通り、ポイントは横田競子になるわよね、やっぱり。今巷ではさ、火の玉決戦で英雄になって、この子が話題の中心だから。まるでジャンヌ・ダルクだよ。ならさ、その横田と麻衣の決着は、同じ組織内の中で互いの信条をぶつけ合うステージへってところに誘導するか…」
うん…、さすがだな、三田村峰子は
...
「あと、ドッグスに限れば、事実上南玉の対抗基盤となるキャビネットへの結集勢力を水増しで喧伝してやってさ、南玉メンバーの危機感をあおるってのもね…。何しろ走りの部隊の頭数じゃあ、真樹子さんの率いる部隊だけでも、あっちを圧倒するのは明らかだし。狂犬さんが新しい南玉連合をどういう方針で考えているにせよ、連中としては焦るでしょ、やっぱり」
うん、言えてるわ、これ
はは、麻衣もさすがだ
今の段階で、南玉は都県境最大勢力の座を明け渡したことになる上、木戸が出たとしたら、キャビネットにドッグスを連れて参画と見るだろうし…
こりゃ、私らの出戻りも現実味を帯びてきたかな(笑)



