その32
夏美
さあ、決戦ステージの最前列に到着したぞ
バイクを降りた私は、後輩を連れて急いで走った
「多美ー!後方は大丈夫よ」
祥子が戦っている今、表向きでは南玉の最高責任者となる本田多美代へ、私は”速報”を早口で伝えた
「あっ、相川先輩、すいません。じゃあ、心配なしですかね?」
「ええ。ガラ悪は”複数”確かにいたけど、今日は何も起こらないわ。安心して」
「はい、ありがとうございます。…久美、真樹子さんに伝達いいかな?片桐さんと迫田さんの出番はなさそうだとも…」
「了解」
北田久美は岩本真樹子の元へ走って行った
さすがに多美は胸を撫でおろしたかのような素振りを見せたが、目線はすぐに戦いの場に移したわ
当然私も…
さあ、こうとなれば、祥子とバグジーこと、柴崎典男の決着だよ!
この結果で、長きに渡った排赤×反排赤の対立図式には終止符が打たれる
まさに最終決着の時を迎えてるんだよ!
...
「おお、夏美!ご苦労さん…。いやあ、凄いことになってるよ。津波祥子の嵐のような殺人フルコースを2度も凌いだぞ、あの男…」
ここで鷹美が言葉を挟んだんだけど…
「南部さん、柴崎は男じゃないかもしれません」
えー?
何言ってんだろう、鷹美のヤツ
「どういうことよ、鷹美…」
「いえ、ただなんとなくです。…いずれにしても、相手は死に物狂いできますよ、次は。両者ともに、体力は限界に近い状況でしょうし、この後の組み合いがヤマになります…」
「祥子には、なんか秘策は授けてあるのよね、鷹美!」
私はややヒステリックな言いようで、鷹美に迫った
それに対して、鷹美は至って冷静に答えてくれたわ
「最後の決め手は温存させています。問題は、勝負時のタイミングを捉えられるかです。ましてや、ここまでの疲労に達すると、あの頑丈な男に、どこまで通じるか…」
「でも矢吹さん、相手だってもう立ってるのがやっとじゃないのか。掴み技へのディフェンスも受けてるし、向こうも決定打になる攻撃となれば難しいと思うけど」
「でも、まだ奥の手があるように思えるんです。それに…、バグジーは砂垣さんらのみんなから声援を受けて、何が何でも負けられないと…。無論、それは祥子も全く同じですが、敵は今や雇われの立場を超えて、柴崎典男として戦っている。このメンタル面に至ったことは厄介ですよ…」
鷹美の見解はもっともだ
「詰まるところ、精神力の戦いか…。しかし、そうとなれば男がやっぱり有利じゃないかな」
「…」
南部さんのこの指摘には、みんな黙りこくっちゃった…
結局、ここが男と女の超え難い”カベ”ってことなかよ!
...
「そんなことありません!祥子さんは相手が男だろうと、絶対負けません!…祥子さんー、負けないでー!」
その大きな声の主は新村静美だった
現在、レッド・ドッグスのトップである静美の目は半ばキレかかっていた
「そうだ!祥子さーん、またケンカ殺人フルコースお願いしますよー!」
テツヤ君が一際でっかい声援を放つと、こっちの陣営は一斉に呼応したわ
そして、ジャッジのケイコが再開を告げた…
夏美
さあ、決戦ステージの最前列に到着したぞ
バイクを降りた私は、後輩を連れて急いで走った
「多美ー!後方は大丈夫よ」
祥子が戦っている今、表向きでは南玉の最高責任者となる本田多美代へ、私は”速報”を早口で伝えた
「あっ、相川先輩、すいません。じゃあ、心配なしですかね?」
「ええ。ガラ悪は”複数”確かにいたけど、今日は何も起こらないわ。安心して」
「はい、ありがとうございます。…久美、真樹子さんに伝達いいかな?片桐さんと迫田さんの出番はなさそうだとも…」
「了解」
北田久美は岩本真樹子の元へ走って行った
さすがに多美は胸を撫でおろしたかのような素振りを見せたが、目線はすぐに戦いの場に移したわ
当然私も…
さあ、こうとなれば、祥子とバグジーこと、柴崎典男の決着だよ!
この結果で、長きに渡った排赤×反排赤の対立図式には終止符が打たれる
まさに最終決着の時を迎えてるんだよ!
...
「おお、夏美!ご苦労さん…。いやあ、凄いことになってるよ。津波祥子の嵐のような殺人フルコースを2度も凌いだぞ、あの男…」
ここで鷹美が言葉を挟んだんだけど…
「南部さん、柴崎は男じゃないかもしれません」
えー?
何言ってんだろう、鷹美のヤツ
「どういうことよ、鷹美…」
「いえ、ただなんとなくです。…いずれにしても、相手は死に物狂いできますよ、次は。両者ともに、体力は限界に近い状況でしょうし、この後の組み合いがヤマになります…」
「祥子には、なんか秘策は授けてあるのよね、鷹美!」
私はややヒステリックな言いようで、鷹美に迫った
それに対して、鷹美は至って冷静に答えてくれたわ
「最後の決め手は温存させています。問題は、勝負時のタイミングを捉えられるかです。ましてや、ここまでの疲労に達すると、あの頑丈な男に、どこまで通じるか…」
「でも矢吹さん、相手だってもう立ってるのがやっとじゃないのか。掴み技へのディフェンスも受けてるし、向こうも決定打になる攻撃となれば難しいと思うけど」
「でも、まだ奥の手があるように思えるんです。それに…、バグジーは砂垣さんらのみんなから声援を受けて、何が何でも負けられないと…。無論、それは祥子も全く同じですが、敵は今や雇われの立場を超えて、柴崎典男として戦っている。このメンタル面に至ったことは厄介ですよ…」
鷹美の見解はもっともだ
「詰まるところ、精神力の戦いか…。しかし、そうとなれば男がやっぱり有利じゃないかな」
「…」
南部さんのこの指摘には、みんな黙りこくっちゃった…
結局、ここが男と女の超え難い”カベ”ってことなかよ!
...
「そんなことありません!祥子さんは相手が男だろうと、絶対負けません!…祥子さんー、負けないでー!」
その大きな声の主は新村静美だった
現在、レッド・ドッグスのトップである静美の目は半ばキレかかっていた
「そうだ!祥子さーん、またケンカ殺人フルコースお願いしますよー!」
テツヤ君が一際でっかい声援を放つと、こっちの陣営は一斉に呼応したわ
そして、ジャッジのケイコが再開を告げた…



