その18
砂垣




なんてこった…‼

真樹子のヤツ…、この短時間に、あそこまでの人員を結集させるとは…

しかも、片桐ジュンと迫田リエに、曲芸まがいな見せ場をおっぴろげさせやがって

こっちのチンピラどもは、目を点にして度肝を抜かれてたわ!

いや、見とれてる野郎も少なくなかったぞ

バグジーまで、苦笑してやがるし…

クソッ、クソッ、クソッ‼


...



「砂さん、どうすんだ!いくらなんでも、ケジメつけろよって言われて、はいわかりましたじゃ、シャレんなんないぜ。決着はこれからなんだからよう…」

「ああ、わかってる。ここで頭など下げる気はねえって‼」

さあ、どうするか…

そう思案してたら、正面の祥子が口を開いたわ

「砂垣さん、あんたも立場があることだ。そう無理は言いませんよ。さっき言ってた通り、まだ我々の勝負はついてないんだし、今の時点で謝罪を要求するのは気が引ける。そこで提案しますよ」

祥子め…!

俺の足元見やがって…

「…私とそこのバグジーさん…、あれ?いなくなっちゃったかな…、静美もだ…。ああ…、とにかく来週金曜、私たちの決戦の前に、本田多美代と、多美を襲った当事者、三島優子をタイマンで決着させる…。これは、こっちの多美からの要望でもあるんだ。それでどうでしょうかね、砂垣さん」

「…わかった。優子には話しを通す。なら、これで本日の議題は終了だな」

「そう言うこと。じゃあ、新村静美は返してもらうよ」

「ああ、持ってきな」

「みんなー、静美を解放だ!」

「静美ー!!」


...



ここの女どもはどこまで太いんだ…

侮れないぞ‼

バグジーにだって、祥子は全く臆してないじゃんか

フリーでハンパこくってた、ただ図体のデカイ女がなんで、あんななんだよ!

たかが1年かそこらで…

わからん…‼

ここの地には何か憑りついてんのとちがうか?