その10
祥子
何だって~??
このバグジーが、性同一性…、障害ってか…
マジかよ…
...
「バグジーさん、それ…、ジョークじゃないんですよね?」
静美もバグジーの顔を覗き込んで、目をぱちくりさせてるし…
「ウソ偽りなしさ。麻衣と砂垣は知ってるしな。まあ、砂垣にはこっちから話したが、麻衣は初対面で即見抜いたわ、はは…。でな、オレの中の女は猛り狂ってる。”それ”に、オレは従順に生きてるよ。麻衣の言う心の主は、オレにとっては”それ”に当たる訳だ。だからな、何となくだが麻衣の生き方は理解できるんだ」
「…ちょっと待ってくれよ、バグジー。ひょっとして…、それで猛る女の聖地と言われるこの都県境に…、ってことだったのかい?」
「そうだ、津波。私はここへ導かれたと思ってる。…きっと心のどこかで探し続けていたんだろうよ。私の内面で猛る、どうしようもない闘争心をぶつけることのできる熱い女達をな…」
そうだったのか…
なんともだ、そういうことなら…
...
その後、バグジーは千葉に滞在していた頃、ある依頼ごとの場で、なんと紅組の嵯峨ミキさんと遭遇した話をしてくれたよ
このことで、都県境の猛る女の伝説を知り、ココに惹かれたと…
そして、あるきっかけで星流会にオファーを受けたことから、この地に辿り着いたそうだ
で…、その延長線上が、スクラッププールでの私との決戦だった訳か
何とも因果を感じるよ…
「津波と戦ったことは一生忘れることはないだろう。お前には本当に感謝してるよ」
「バグジー…」
私はガラにもなくジーンときちゃったわ
...
”パチパチパチ…”
マスターが手を叩いてる…
”パチパチパチ…”
そしたら、静美もだ
...
その後、マスターを交えた私たち4人での会話は5分程度だったが盛り上がったよ
で、マスターは厨房内に戻ってね
したら、バグジー…、どこかしんみりした口ぶりで語ってきた
「…そうか、ココのマスターとは同郷ってことだったのか…。津波、新村…。お前たちがこの店を”連中”の手から守ったのは、オレから言わせれば、歴史に残る出来事だよ。事件と言ってもいい」
「えっ…?いくら何でもオーバーでしょう、それって。なあ、静美…」
「ええ。私たちはただ、ここに張り付いていただけですしね。みんなからNGなきワルを撃退って言われても、どうもピンと来なくて…。連中、最後は拍子抜けでした、正直…」
うん、私も静美の思いと全く同様だわ
…
だがバグジーは、きっぱりとこう言いのけたよ
「それはあくまで表面上だよ。実際は対峙という戦争だった。熾烈な…。奴らとのその戦争はお前たちだけじゃなく、麻衣や相和会も実は連携して、みんなで戦っていたんだ。大打と直接面と向かったのは麻衣と浅土だけだったが、盗聴の音声からは凄まじいその場での緊迫感が伝わった。まさに一触即発だったな」
そうさ…!
麻衣はあの大打とは、東龍会VS相和会の代理戦争という構図での看板同士ってことだったんだもんな
ふう…
こう改めて考えると、アイツ、何ともすげー立場で動いてたんだな…
「…あの時、麻衣はギリギリのところでも真正面でな…。代理戦争自体は、結果的に派手な戦闘の展開がなかっただけなんだ。だがよう…、オレの目からは、心理戦だけでも壮絶な戦いだった。間違いなくな…」
うーん、実際はそういうことだったんだろう
だけど、それでも歴史にまではっての、それはちょっとなあ…(苦笑)
祥子
何だって~??
このバグジーが、性同一性…、障害ってか…
マジかよ…
...
「バグジーさん、それ…、ジョークじゃないんですよね?」
静美もバグジーの顔を覗き込んで、目をぱちくりさせてるし…
「ウソ偽りなしさ。麻衣と砂垣は知ってるしな。まあ、砂垣にはこっちから話したが、麻衣は初対面で即見抜いたわ、はは…。でな、オレの中の女は猛り狂ってる。”それ”に、オレは従順に生きてるよ。麻衣の言う心の主は、オレにとっては”それ”に当たる訳だ。だからな、何となくだが麻衣の生き方は理解できるんだ」
「…ちょっと待ってくれよ、バグジー。ひょっとして…、それで猛る女の聖地と言われるこの都県境に…、ってことだったのかい?」
「そうだ、津波。私はここへ導かれたと思ってる。…きっと心のどこかで探し続けていたんだろうよ。私の内面で猛る、どうしようもない闘争心をぶつけることのできる熱い女達をな…」
そうだったのか…
なんともだ、そういうことなら…
...
その後、バグジーは千葉に滞在していた頃、ある依頼ごとの場で、なんと紅組の嵯峨ミキさんと遭遇した話をしてくれたよ
このことで、都県境の猛る女の伝説を知り、ココに惹かれたと…
そして、あるきっかけで星流会にオファーを受けたことから、この地に辿り着いたそうだ
で…、その延長線上が、スクラッププールでの私との決戦だった訳か
何とも因果を感じるよ…
「津波と戦ったことは一生忘れることはないだろう。お前には本当に感謝してるよ」
「バグジー…」
私はガラにもなくジーンときちゃったわ
...
”パチパチパチ…”
マスターが手を叩いてる…
”パチパチパチ…”
そしたら、静美もだ
...
その後、マスターを交えた私たち4人での会話は5分程度だったが盛り上がったよ
で、マスターは厨房内に戻ってね
したら、バグジー…、どこかしんみりした口ぶりで語ってきた
「…そうか、ココのマスターとは同郷ってことだったのか…。津波、新村…。お前たちがこの店を”連中”の手から守ったのは、オレから言わせれば、歴史に残る出来事だよ。事件と言ってもいい」
「えっ…?いくら何でもオーバーでしょう、それって。なあ、静美…」
「ええ。私たちはただ、ここに張り付いていただけですしね。みんなからNGなきワルを撃退って言われても、どうもピンと来なくて…。連中、最後は拍子抜けでした、正直…」
うん、私も静美の思いと全く同様だわ
…
だがバグジーは、きっぱりとこう言いのけたよ
「それはあくまで表面上だよ。実際は対峙という戦争だった。熾烈な…。奴らとのその戦争はお前たちだけじゃなく、麻衣や相和会も実は連携して、みんなで戦っていたんだ。大打と直接面と向かったのは麻衣と浅土だけだったが、盗聴の音声からは凄まじいその場での緊迫感が伝わった。まさに一触即発だったな」
そうさ…!
麻衣はあの大打とは、東龍会VS相和会の代理戦争という構図での看板同士ってことだったんだもんな
ふう…
こう改めて考えると、アイツ、何ともすげー立場で動いてたんだな…
「…あの時、麻衣はギリギリのところでも真正面でな…。代理戦争自体は、結果的に派手な戦闘の展開がなかっただけなんだ。だがよう…、オレの目からは、心理戦だけでも壮絶な戦いだった。間違いなくな…」
うーん、実際はそういうことだったんだろう
だけど、それでも歴史にまではっての、それはちょっとなあ…(苦笑)



