その3
ケイコ



結局、祥子と私は麻衣についても、久美を通じてやり取りは行うべきだろうといういうことになった

「じゃあ、以上を多美に話そう。おけいも一緒にさ」

「うん」


...



多美にはそのまんまを話したよ

「ああ、それでやってくれ。迷惑かけて悪いが、なるべく早く退院して戻るから。よろしく頼むよ、二人とも…」

多美は最後にちょっと涙ぐんでた


...


「ケイコちゃん、終わったのか?」

「うん。アキラ、待たせてゴメン。ええと…、それじゃあ紹介するね。いずれも南玉連合の仲間で、左から片山アカネ、西脇理沙、そしてこの大柄の人が現トップの津波祥子だよ。…そんで、この人が私の愛する彼、香月アキラ…」

私はちょっと照れくさかったけど、素直な気持ちで、3人にアキラを紹介した

はは、アキラは赤くなって、大テレだ


...



アキラと3人は、笑顔でそれぞれ挨拶を交わして和やかだったが…

祥子がすぐに、笑顔からきりっとした顔に変わった

そして…

「ああ、アキラさん…。”今回”は南玉を離れたケイコにも、いろいろ力を貸してもらうことになりそうなんです。お二人の生活にはなるべく負担にならないように、私たちも心しますので、ひとつ、よろしくお願いします」

祥子…

「お願いします…」

アカネと理沙も祥子が頭を下げたのに続いたわ…

「…こちらこそ、ケイコをお願いします」

アキラは簡潔に返事をして、ぺコンと頭を下げた

その際、口を開くまでにちょっと間があったんだよな

アキラ、ひょっとして…(苦笑)


...



「明日はさ、バイト2時で終わるんだけど、その後、南玉OGの人と会うことになると思うんだ。夕方なるべく早めに帰るようにするからさ…」

「ああ、ゆっくりでいいよ。それにしても、南玉連合の子って、けっこう普通の子ばかりなんだね。それにあのトップの人、あんな礼儀正しくてびっくりだよ。ちょっと意外だった」

「ハハハ…、アキラからしたら、スケ番とかズベってイメージだんたんでしょ?」

アキラは笑いながら、「まあね…」だって

「オレさあ…、あんまり杓子定規じゃなんだからって、さっきは”例のケイコ発言”…、喉まで出かかってたよ。でも、言えなかった…、はは…」

やっぱりな…

”(南玉のみんなに)呼ばれれば、彼とヤッてる最中でも駆け付ける…”